6.地元産材、地場の山林を使う意義

林業が産業としてなりたたない時代となりましたが、地域の木材を地域の建築物に利用すること、特に、長岡市の森林から生産された木材を利用した場合、次の役割が考えられます。

@森林の保全循環利用
A地球環境に貢献
B伝統技術の保全、地域文化の伝承
C新規就労の場の拡大
D子ども達の育成の場
E産業育成(新素材産業への挑戦、デザイン技術の育成)
Fバイオマスエネルギーの利用
G地域経済の活性化

@森林の保全循環利用
地域資源の代表であるクリーンな素材(木材)を生産する森林を未来に残していくことが重要なテーマです。

A地球環境に貢献
森林は、林齢が若ほうがCO2の固定も活発に行われるため、環境都市を目指すには大変有効な手段となります。

B伝統技術の保全、地域文化の伝承
地元の森林を利用した育林や造林、伐採の技術や木材を使った伝統工法、伝統技術の継承ができます。雪国ならではの育林技術や建築技術の文化を広く伝えられます。

C新規就労の場の拡大
現在森林では、保育作業(下草刈り・雪起し・枝打ち・徐伐・間伐)中心に就労しています。
木材を伐採し、循環利用することにより、森林に木を伐採にいく、集める、運ぶ、仕分ける、製材する、建物を建てる、建具を作る、ストーブに利用する、また植林するという就労の場が生まれます。

D子ども達の育成の場
大人たちが仕事をしている姿を子供たちに伝えていく場ができます。
上記就労の場で教育関係者と連携しながら子供たちを山林や各種産業の担い手として育てていく場が期待できます。森林生産地となり得る地域においては、森林の学習が行われ、森林の無い地域においても、その地域の生活・農業にどのように森林が関係しているか等を伝える場が提供できます。
現に、森林林業教育では、実践している市町村もあり、伐採から、製材、建物を勉強して理解の深まった子ども達もたくさんいるようです。


写真  宇和島村島田小学校森林林業教室の様子

また、「木を切って利用し、循環させることが良い事である」ときちんと伝えて、木材を提供してくれた森林所有者の方々をきちんと奨励し、広く市民の理解を深めていくことが期待できます。
また、公共建築物には、木材の生産者・伐採者・工程などを広く市民にアピールできます。

 森林林業教室の実例      長岡林業事務所による            
実施時期 日数 対象学校名 人数 普及指導内容
H14.9.18 1 和島村小学校 37 和島村の森林の現状学習
H14.10.3 1 和島村小学校 37 森林体験・間伐体験
H14.10.16 1 和島村小学校 37 林産体験・製材所
H14.6.11 1 北辰中学校 27 森林体験
H14.6.18 1 北辰中学校 27 森林体験
H14.7.2 1 北辰中学校 27 間伐体験
H14.7.23 1 北辰中学校 65 森林の役割と間伐体験
H14.5.7 1 出雲崎小学校 41 椎茸駒打ち
H14.7.16 1 栄町中学校 12 森林環境教育
H14.9.22 1 長岡地域市民 110 きのこ・木工・竹細工
H14.9.14 1 長岡地域市民 30 木工教室
H14.6.8 1 柏崎市民 35 森の学校
H14.7.20 1 柏崎市民 24 森の学校
H14.10.19 1 柏崎市民 24 森の学校
H14.10.1 1 柏崎市立野田小学校 8 森林環境教育
H14.10.1 1   長岡市小学校 40 森林環境教育
H14.10.1 1   柏崎小学校 40 森林環境教育
H14.10.1 1   三島町脇野町小学校 70 森林環境教育
H14.10.1 1 三条浦立小学校   60 森林環境教育
H14.12.4 1 長岡市四郎丸小学校   60 森林・林業教室
H14.12.11 1 出雲崎小学校   43 森林・林業教室
H14.11.13 1 和島村小学校   39 森林・林業教室
H14.12.10 1 和島村小学校 16   森林・林業教室
H15.1.15 1 小国町上小国小学校 22 森林・林業教室(きのこ・炭)
H14.11.13 1 柏崎市野田小学校 7 森林・林業教室(きのこ)
H14.11.6 1 柏崎市野田小学校 8 森林・林業教室(炭)
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E産業育成・(新素材産業への挑戦・デザイン技術の育成)
Fバイオマスエネルギーの利用
市内の学術機関との連携により、クリーンな材料供給地として、森林・林業・木材産業の役割が考えられます。

G地域経済の活性化
以上の効果を連携させることで、需要・供給が生まれ、技術進歩と雇用が促進され、循環経済の仕組みが構築され、地域経済が活性化することが考えられます。



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TEL 0258-35-1851